Interview 06 日本だけでなく世界中のお客様に喜んでいただけるお店をめざしています。 リャオ 中納言 海外事業部 八木 中納言 営業部 インバウンド需要も増えており、そこに対応できるように運営をして行っている最中です。 お二人はどういったお仕事をされていますか? 八木:私は兼務していますが、まず西宮本社営業部としての仕事は大阪地区を主体として店舗運営と店舗の管理、管理職のスタッフの教育等々をやっています。西宮本社店舗としては、企画開発に携わったり、中納言店舗の運営全般について携わったりするのが主な仕事です。 リャオ:自分は千日前の店舗に所属していて、そこの店舗運営や営業に携わっています。 あとはインバウンドの対応をしています。中国、台湾、香港からのお客様が一番多いんですが、私は台湾出身なので母国語で対応しています。 なるほど、海外からのお客様も最近は多いですか? 八木:海外からの店舗への流入状況としては、今年ニュースでは韓国から日本への流入がナンバーワンと発表されていましたが、弊社としては今はまだ韓国からのお客様が1番多いというわけではないんです。台湾、タイあたりがインバウンドのメインのお客様になっています。それに次いで韓国、米系のお客様がどんどん入ってきている状況です。 その中で弊社としては、リャオさんを軸にインターネットサイトで海外メディアに対してアプローチをかけています。日本でいうと食べログやYahoo!のような海外版の飲食サイトの運営も行っています。台湾、韓国、中国を軸としてアプローチする試みをここ2〜3年やっています。 自分の得意なことを活かせる職場を探して、この会社を選びました。 お二人はどういったきっかけでこちらで働くことになったのでしょうか? 八木:私はもともと中納言に入る前にホテルに一度就職しており、そこから中納言に転職しました。転職したきっかけは、もともと働いていたホテルよりも、ここならより自分が活かせると思ったからです。リャオさんの場合は日本に来て、中納言で頑張っていこうと思った大きな決め手というのは何だったのかな? リャオ:もともとは大学で日本語を勉強していたので日本語を活かせる仕事を探していました。求人の仲介の方から「この会社はどうですか?」と中納言をお勧めされたんです。条件もよかったですし、営業という仕事で海外の方を募集している求人はなかなかなかったので、中納言に興味を持ち応募しました。 営業をしたかった理由は、もともと自分はしゃべるのが得意だと思っていて、人と接する仕事の方が向いていると感じたからです。 八木:そうなんだね。私もそうですけど、こういう仕事に就く人間は、やはり人と関わる仕事がしたいという思いが根本にある人が多いです。店舗で接客するスタッフでいうと、人と関わる仕事、そして形を作りたいというスタッフがほとんどです。調理に携わる者だと、自分の作った料理でお客様を喜ばせたいと思う人が多いです。やはりベースになってくるのは、店舗で活躍するスタッフであれ、リャオさんのように外部営業で活躍するスタッフであれ、根本にあるのは人との関わりという部分があると思います。 私は学生の時にテレビドラマを見て、「自分もこんな風になりたい」と思い、一度はホテルマンにはなったんですが、時代的に年功序列の風習がすごくありました。私は大学を出ていなくて専門学校が最終学歴になるんですが、大学を出ている人間が能力問わず上にいるのが、当時のホテルの古い体質でした。そこではなく自分の実力のみで活躍できるところを探していたというのも入社の1つのきっかけです。 新しい業界や場所にチャレンジして、新しい自分が見つかった 八木:関西の人間からすると中納言って幼少期からコマーシャルで見ながら育っているので馴染みもあるんですよね。リャオさんは中納言に馴染みがない状態から入ってきているので、すごく勇気が必要だったと思います。勇気を持って一歩踏み出して、今まで5年間中納言で活躍しているのはすごいことだと同じ会社で働いている人間からしても思います。 リャオ:中納言に入ってくるまで飲食の仕事もしたことないし、営業の仕事もしたことなかったんです。昔は販売の仕事をしていたので、接客自体はやったことあるんですが、ホテルの配膳とか料理の説明はやったことなかったですね。中納言に入ることは大きなチャレンジでした。 八木:この会社にはチャレンジしようと思うスタッフに対して、非常にたくさんのチャンスが散らばっていると思います。いろんな活躍の場を用意してくれているので、飲食業という1つの枠にとらわれない会社だと思います。リャオさんを筆頭に近年は海外のスタッフも増えてきています。 リャオ:私は37歳で、ある程度の社会人経験がありますが、新しく入ってくる子たちはまだ社会人経験が少ないので、そこは私がリードしていかなければいけないと感じています。 八木:海外スタッフへのサポートは会社としても取り組むべきことだと思っています。同じ海外スタッフだからこそ分かることもあるでしょうし、日本人スタッフの私たちでは分かってあげられない部分や言葉の壁があるので、リャオさんの存在は非常に頼りになりますね。会社のサポート体制として、良い海外スタッフの先輩たちがたくさん生まれることが、後に続く人たちも安心して働ける環境作りにつながると思います。 他の国のお客様でも文化に合わせた接客を心がけることで、より多くの「ありがとう」を受けとることができています。 この仕事を通じてどんなやりがいを見つけましたか? 八木:私どものやりがいというのは、やはり人と関わる仕事ということが1つ挙げられます。自分自身が常に頭に置いているのは「人の役に立つ仕事をしたい、人のためになる」ということ。これを念頭に置いて仕事するようにしています。例えば、店舗であってもお客様のために何をしてあげられるのかというのを常に考えています。美味しい料理や行き届いたサービスはどこにでもあることですが、一期一会のお客様のために何ができるのかを常に考えながら仕事しています。お客様から「ありがとう」と言われた時の喜びはやりがいの1つになっていますね。 リャオさんはインバウンドのお客様から言っていただく「ありがとう」は日本スタッフよりも直に感じられるとは思うんだけど、どうですか? リャオ:そうですね。中国語の対話ができない場合だと、どうしてもつたない英語でオーダーすることになるので、中国語が対応できるスタッフがいるとすごく喜ばれます。他の仕事に回っていても、お客様から「中国語が喋れるスタッフを呼んでくれませんか?」と要望をいただくこともあります。人と関わって仕事ができるというのがすごく大きなやりがいですね。 八木:私は今は統括をしていて店舗所属というわけではありませんが、自分が店長をしていた経験もあります。そこで培われた経験があるからこそ、今お店を管理していく上で新しいものも生まれますし、当時の古いやり方や風習で自分が嫌だと思っていたことを変えていけます。自分が店舗にいた時にできなかったことが、今の立場だったらできるというのもやりがいの1つです。 インバウンドが増えるにつれて、文化の違いを知ることも大切になってくる 八木:リャオさんからは「日本はなぜこんなことをしているの?」という新しい発見を教えてもらえることもあります。海外のお客様に日本の文化を楽しんでもらうことはすごくいいと思いますが、海外の文化を持つ人に海外のスタッフが対応することで、安心して食事していただいているように感じます。お客様への安心感につながっていると思います。リャオさんは何か接客で意識していることはある? リャオ:日本のお客様と海外のお客様はそもそも文化の違いもありますし、料理を食べるスピードも違うのでそういうことを意識しています。観光客の場合だと、次の予定が詰まっていることもあるので、外国観光客の立場に立って料理を早く提供することもあります。お客様がどのようなサービスをして欲しいのか、海外スタッフの立場から考えるようにしています。 八木:私たちが提供する料理はコース料理が主体になっていて、日本のお客様には一品ずつ順番に提供すると喜ばれることが多いです。海外のお客様は喜ぶ人ももちろんいますが、そうじゃないお客様もいらっしゃいます。それは日本人スタッフの私たちには分からない感覚なので、それをリャオさん達が分かってくれるのは非常に助かりますね。 例えば、海外旅行を企画している旅行会社や代理店様に対して直接アプローチしに行くために海外出張に行くこともあります。去年はリャオさんと私で台湾に行ったり、私と別のスタッフで韓国に行ったりしました。店舗の営業スタッフでもあり、国内の企業様へ営業活動をしながら、海外にも行かせてもらっています。業務の幅が広いですが、それぞれの仕事にやりがいがあります。 リャオ:特に海外に関しては、中納言がまだまだ有名でない部分もあるので、多くの人に知ってもらえるように活動しています。 海外展開に向けた活動に取り組むことで、グローバルな視点で物事を考えることができるようになった。 今のお仕事を通じてどんな点が成長したと思いますか? リャオ:料理の提案や海外向けのコースの提案などをさせてもらえることですね。やったことがないことにチャレンジできるのはこの会社のいいところです。例えば、この前社長にも話したんですが「香港のお客様が増えているので、香港へ営業に行きたいです」と言ったら、社長が「いいよ」とおっしゃってくれました。やりたいと思ったことはチャレンジしやすい環境だと思います。 八木:成長で言うとこの会社はいろんな経験ができると思います。リャオさんが言ったようにチャレンジする環境がたくさんあるので、いろんなチャレンジをする中で失敗や成功を繰り返しながら人間は形成されていくと思います。そういう意味で言うとチャレンジする幅が広い環境を与えてもらえることは、スタッフ1人1人の成長にはすごくつながりやすい会社だなと感じますね。 あとは人との交わりが成長につながると思います。お客様とつながり、いろんな業者様とつながり、はたまた企業様とつながり、いろんな方々と関係を持つことが自分自身の1番の成長につながっていると感じていますね。相手を思いやることや相手に対する気づきは相手と交わらないと培えないので。 リャオ:人それぞれの思いや考え方があるので、全部は汲み取れないかもしれませんが、少しでも寄り添いたいと思っています。